点鼻薬ホルダーを自作したらバズった | iven works

iven works

ないなら作ればいいじゃない。

アメブロでは大変ご無沙汰しております。ねびです。

 

 

この度、趣味でつくった点鼻薬用のホルダーがXで2万を超えるイイねを頂きました。

我が人生の珍事です。

 

 

Jタウンネットさんというウェブメディアさんに記事にして頂きました。

記事はこちらからどうぞ。

 

 

むちゃくちゃ読みやすく仕立てて頂きました。仕事で誰かが作った製品について記事を書く事もあるんですが、取材される側になったのは初めてで興奮してしまい、めちゃくちゃ長文を送りつけてしまいました。すみませんでした。

 

記事では大変読みやすく仕立てて頂いたのですが、記者さんにお送りした質問回答、せっかくなのでこちらに載せます。

(一部修正してます)


---

 

長文となってしまいました。

書いてみたらそこそこ読み応えがある作文ができたように感じますので、Xまたは私自身の他SNS等で全文または一部を掲載するかもしれません。お許し下さい。

1. 鼻づまりスプレーの容器を作られた経緯(花粉症なのでしょうか?)

 

鼻水の多い人生を送ってきました。

私自身が昔から鼻炎持ちで花粉症です。気温が急激に変わる季節の変わり目、特に毎年春は朝晩の飲み薬のほか、普通の日常を過ごすにも点鼻薬が手放せません。ところが物を無くしやすい性分なものですから、大事な薬なのに鞄に放り込んでは見失い、職場の机においては忘れ、欲しい時に見つからずに大量のティッシュをゴミ箱に投げてきました。

 

製作の理由は大きく2つあります。

 

最近また点鼻薬を見失い、適当に買った薬が製作に繋がりました。

そっけない箱で売られている一番安い薬ですが、開けてみたらスプレーボトルにどこかケレン味のあるカッコ良さを感じました。もう少し言えば、SF映画に出てくる仰々しい注射薬のように見えました。ゾンビに噛まれた仲間を救い、敵に囲まれ泣き叫ぶヒロインの前で、力無く横たわる主人公に無敵の力を与えるような。これをもっと強調するように見せたら、かっこいいかもしれない。そう思ったのが事の発端です。リプライで頂きましたが「鼻の粘膜から直接吸収させて一時的に人間の能力を拡張する薬」って思うと普通にヤバい存在に思えてきませんか。私はこういう倒錯した考えが好きです。

 

もう一つ、私自身が普段は医療機器や車いすを開発するデザインエンジニアという仕事をしており、病気や障害を抱えながら日常に立ちむかう方々とご一緒させて頂いています。私の活動領域だと主に健常者なら当たり前に使っている身体を動かす事に困難を持つ方々です。彼らの必要とする道具は、周囲から見れば障害の象徴のようにも見られがちな物です例えば義手や義足は障害がなければ一生お世話になることがない。でも、その道具がカッコ良ければ本人の性格すら前向きにしうる、というのを日々感じます。そういった皆さんが携える困難と比べると花粉症というのはだいぶ軽いですが、ひとつの理不尽な困難だと思います。ただ生きているだけで鼻や目から水が止められず、腫れた鼻腔は私の呼吸すら邪魔してくるのですから。

 

そういったどうにもならない理不尽に、道具の力で少しでも楽しく向き合えないだろうか。

症状を緩和するために薬を使っても、心配されるだけでなくポジティブな姿勢で周囲から見てもらえないだろうか?

ありふれた薬で、無敵になれやしないか。

 

そういう考えで作りました。

作文してみて思いましたが、もの作りにあたって着想に説明をつけるならこんな感じです。

2. 使ってみての感想、使い心地

大成功です。

ただの点鼻薬にあるまじき存在感があり、まったく無くす気配がありません。

鞄や服につないでおけるので、しまう場所が決まるのも効果絶大でした。また、おおよそ没個性な白い容器の多い点鼻薬が、ホルダーによって鞄の中で目立つ色になるだけでも見失いません。

操作の面では、単純にボトルを当てがって押し込むと固定され、反対から押すと取り出せる簡単操作が作れました。この操作の感触がまた気持ちよく、まるで拳銃に弾をこめるよう。無意味に出したり入れたりしています。客観的にはただのハナタレのくせに。

3.鼻づまりスプレー容器はどのようにして作られているのか

まずスプレーボトルの大きさや形状を細かに採寸しました。FusionというCADソフトでコンピュータ上で再現し、ホルダー部分をそれにあわせてデザインしました。最初の採寸と設計で半日くらい、そのあとXに投稿するまでハマり具合や、取り出しやすさの塩梅をみながら3回ほどデザイン修正と試作を繰り返しました。完全に趣味です。

製造は自宅の3Dプリンタで出力しています。便利な世の中です。

4. 鼻づまりスプレー容器の反響に対しての感想

実は、完成して最初にXへ投稿したのは今回のバズりの2週間ほど前で、その時の投稿は写真も一緒なのにほとんどリポストもされず、今でも5いいねくらいです。なんで今回こんなに拡散されたのか、興味深く思っています。春の訪れとともに杉が頑張ってみんなを花粉に苦しめたせいでしょうか。くたばれ杉花粉。憎むべき敵に助けられるとは皮肉なものです。ありがとう杉花粉。

 

ある意味で医薬品で遊んでいるようにも見えるケシカラン投稿だし、義憤に駆られた人がプリプリ迫ってくるかと投稿後に怯えていたのですが、見える範囲ではほとんどこき下ろされず驚いています。あまりに好意的な反応をたくさん頂いたので急いで販売ページを作ったところ、実際に注文を頂きました。SNS経由で自作物を買って頂いたのは初めてで、とても嬉しいです。

 

最初に注文いただいた方々の手元には既に到着しており、機能に喜んでいただいたり、「色の厨二感」の雰囲気を一緒に考察してくださったり、とても楽しいです。

 

自分の使っている点鼻薬でも作れないか、1年中点鼻薬が手放せない家族に贈りたい、といったコメントも頂きました。点鼻薬にまつわる皆さんの困難に少しでも前向きな光がさせるのかもしれないと、こちらも力が漲るようです。お声がけの多かった点鼻薬は採寸用を買ってきて対応できるよう設計中です。

 

使う予定のない点鼻薬が増えていきますが、趣味の活動で人から求められるのは大変嬉しいことです。

採寸用に並んだいろいろな点鼻薬でソムリエにでもなれましょうか。

 

---

 

というわけで、現在メルカリ、BOOTH等で販売しております。

 

 

メルカリはこちら

https://jp.mercari.com/user/profile/726252704

 

現在ご要望の多かったナザール用開発中です。

Xの方に開発進捗載せてるのでご興味あればぜひ。

https://twitter.com/nevi34x/status/1762453772490756308

 

 

いまどきSNSでバズってnoteに書かないやつ珍しいでしょう?

本物の中学2年生の頃から書いてますからねココ。

最後に記事書いたの5年前でビビりましたけど。

Time Fried、時は揚げ物。

 

では