タンクの錆のはなし、つづきです。フューエルコックを外した所まで書きましたね。
花咲かGで処理するにあたって、タンクから漏れないようにしなきゃいけません。ネットを探すと、キャップやフューエルセンサをそのままにつけっぱなしにして処理した事例も出てきます。ただ、全部外すのが公式に推奨されているので、今回は外し、また外したところには栓をせねばなりません。
ちゅーわけで、ホームセンターでゴム板を買ってきました。あと、家に転がってたコンパネの端材。大まかにキャップの直径を測って、電動糸のこ盤で切り出して丸い板をつくりました。
同じく丸くハサミで切り出したゴム板を接着剤で張り付けて、即席キャップ完成。キャップの外径をそのまま切り出したら、ちょっと大きかったので10mmくらい削りました。ネジは適当なステンレス、M5だったかな。綺麗にハマったぞ。
電動糸鋸盤なんかネーヨ!っていう方、手曳きの糸鋸でも似たようなのは作れると思います。このくらいの大きさの板はホームセンターで、カットサービスの端材として50円くらいで買えたりします。ねじ止めしても変形しない厚みがあるのがお勧めです。あとは電動ドリルとドリル刃があればなんとかなるはず。
ちなみに、花咲かGをググっていらした方はご承知かと思いますが、花咲かGは蓋をせずに処理した方々もいっぱいなので、処理にあたって蓋が必ずしも必要ではないと思います。私はタンクの全体を処理するのに、天地ひっくり返して漬け込むのが必須だと思ったので作りました。
ちなみに私が持ってる電動ドリルはこれ。
リョービ(RYOBI) ドライバードリル CDD-1020 645801A
11,880円
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ほとんど外へ持ち出すことが無いので電池切れのないタイプです。同じくらいの値段の電池式よりやや軽いし。場所が許すならば、「まっすぐな穴をきれいに開ける」のが圧倒的に楽なので卓上ボール盤がお勧めです。あまり値段差がないし。
数万円クラスの品物や、もっと強力なもの、有名メーカー品や鉄工所放出の中古品などいろいろあり、むろん高いやつは高いなりの理由があるのですが、趣味で使うなら十分かと。
さて、フタですが。肝心の漏れがないかはブッツケ本番で確認だったので、処理中に話が飛びます。結論から言えば天地ひっくり返そうが、タンクごと振り回そうが漏れませんでした。しめしめ。
もう一つ言えば、わざわざ蓋を作った原因はこれも。純正のフューエルキャップが満タンギリギリまでガソリン入れた日は、駐車してる間の車体の傾きで漏る。爺さんは塗装面に付着したまま長期間放置すると塗装がはがれるそうな。タンク、外観は綺麗だからそれは困る。
今度はフューエルコックの部分にテキトーなアルミ角パイプの端材をあてがって、ネジ止めできるように穴あけ。こちらもゴム板をパッキンにしてネジで固定します。フューエルセンサの穴は冒頭に出てきたゴム栓をねじ込んだらうまい具合に塞げましたよ。
ゴム栓、本当にねじ込んだだけなのに意外と漏れずびっくり。
ちゃんとした?蓋ができたおかげで漏れの心配がなくなったので、処理中はタンクを振りまくり中身を攪拌したりしてました。なにより、錆がはがせるレベルの強力な薬品が漏れる心配がないので安心。パッキンに使ったゴム類は1週間ほど花咲かGに浸ったはずですが、特に目で見て分かるような変質はしませんでした。取説にも書いてあるけどゴムには影響しないみたいです。
続いて、処理にあたってタンク内を脱脂・洗浄します。
公式には食器洗い用の中性洗剤で!とありますが、ググるとこれまたいろんな先例があって、悩ましい。確実に脱脂するには?ということで、ガソリンを抜いてフタを作ってる間は陰干ししていたタンクに、自転車のチェーン洗浄に使ってるフィルタークリーナーを100mlくらい流し込んで振ってやりました。
ワコーズ FC フィルタークリーナー 湿式エアフィルター用洗浄剤 10000ml V460
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100mlくらいでちゃぷちゃぷいうので、全体に行き渡った頃合にホースで水入れてタンクを振る、水出してはまたタンクを振る、の繰り返し。ここでもまだ泥のような錆が出てきて目が回ります。
乳化した白いフィルタークリーナーが完全に出なくなったら終了。いよいよ花咲かGを投入して放置します。投入翌日に覗いてみたらこんな感じ。白く泡立ってています。よくわかんないがやべー感じだ。
口の周りが茶色いのはまさしく錆。ギリギリまで水を足してフタをし、時々上下をひっくり返して一週間放置しました。20kg近くあろう満タンタンクを振り回すのは結構大変で、汚れてもいい格好で足腰つかってやる感じ。横着して普段着で服につかないように腕だけで持ち上げようとしたら、こんな重たかったか!?ってなりました。うかつにやると腰を壊すね。
処理してる隙にタンクキャップをばらしました。非常に動きが悪く、ガソリンスタンドでも給油後になかなか閉められなかったり、キーが折れるのを心配になるくらい力入れないと開かなかったり。どうやら部品に使われているアルミの錆が原因だそうな。
外せるネジを全部外して、粉を吹いているアルミ部品をワイヤブラシで擦ったところ、このありさま。ものすごい量の白い粉末が出ました。作業中にあんまり粉が舞うので塗装用のマスクをしたくらい。この粉が可動部品の間で引っかかって、悪さをしてたみたい。常にガソリンを被る仕事をしているので、グリスやオイルで潤滑してもあんまり長持ちしなそうな上、こんだけ動きが渋いものはもはや新車時のグリスなんか効いちゃいないので、5-56吹いて固着をはがし、フッ素系のオイル吹いたり、ゴム類にはシリコングリスを塗って組みなおしました。 本当は劣化してるものは交換したいのですが、わりとスンナリ動くようになったのでヨシ。
待つこと一週間。ワクワクしながらあけてみたら…。確かに錆は減ったが、ところどころ赤茶色がのこりました。うーん、全部落ちなかったか。抜く前の液体は真っ黒でタンクの中の様子はさっぱりわかりません。
液をだしてみたらこんな。ひたすら黒い。
タンクを除くと赤茶色い。ここで一瞬失敗した?とか、実は錆が深すぎてダメだった?とかいろいろ心配になりだしましたが、水で洗ってみたらただ落ちた粉状の錆が付着してただけだった。
何度か流してこんな感じ。黒い点は全部サラっと流れます。じゃぶじゃぶ洗うと三度タンクから泥みたいな錆とご対面。一皮むけたどころの量じゃなくてびっくり。
口回りにあった茶色いのもアッサリ落ちました。すごい。やや跡は残ってますが新品みたいだ。最後、説明書の指示通り、あらかじめ取り分けておいた花咲かGを投入してタンク全体に回して排出、乾かしておしまい。
今回はじめてキャブレターを外したり、ガソリンの配管を交換して複雑な作業に取り組んだ気がしたので、組みなおしてエンジンがかかってめちゃめちゃうれしかったです。
普段は外気温に関係なく始動直後にアイドリングが不安定なためチョークを引いてたのですけれど(引きすぎて壊れたともいう)、ご覧の通りめちゃめちゃアイドリングが安定していて拍子抜け。まるで悪いことが全部なくなったみたいだ。
あ、そうえいば組み立てて、ガソリンを入れる前にメインキーONにしたら、タンクはスッカラカンなのにフューエルインジケータがいつも通り消え、フューエルセンサーか、ハーネスのどっかがおかしいみたい。SV400にはリザーブがありません。ガス欠に近くても分からない危険仕様なので北海道ツーリングには絶対にいけない。リザーブつきのフューエルコックだけ他のスズキ車から流用した方が電装系なおすより楽かもしれませんねぇ…。とりあえずエンジンはかかったので放置します。
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タンクがきれいになったし、エンジンすんなりかかるようになった(気がした)ので大喜びで出かけ、大磯ロングビーチで開催されていたSHCCのジムカーナを眺めてきました。
帰ろうと思ったら、再びエンジンがかからない。普段はすぐに押しがけを試みますが、走行100kmくらいの新品プラグがどうなったのか見てやろうと、外しやすい後ろバンクを抜いたところ…
白いぞ。こんなに真っ白になったの初めて見ました。キャブレター本体には手を入れてないはずだし、燃調に関係しそうなチョークケーブルは全く効いてない状態だったハズなんだけどなぁ…。
その後、プラグを戻して押しがけしてたら、たまたま居合わせたドゥカティ乗りの方が手伝って下さいました。なんのお礼も出来ず申し訳ありません。その節は大変助かりました。御礼申し上げます。
次回はキャブレター分解編かもしれません。
ではまた。